アスタティック史
〜 ハープマイク、ASTATIC
JT-30を生み出したアスタティックの栄光 〜

1946年頃の資料、Courtesy of Gib & Linda of West-Tech Servicesからの転載
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C・M・ショーペニング副社長
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F・H・ウッドワース社長
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1930年、オハイオ州ヤングスタウン在住の2人のアマチュア無線愛好家、C.M.ショーペニングとF.H.ウッドワースは自分たちの無線機用により良いマイクを探していた。それまで、彼らはあらゆるタイプのカーボンマイクを使用していた。この問題への答えとしてコンデンサーマイクに2人は興味を持った。いくつかのユニットが通信のため設計、試作された。やがて、彼らの知り合いの他のアマチュア無線愛好家たちも彼らの建物を訪れ始め、建物に関心を持つ人もいればこの新型マイクを購入したいと思う人もいた。ショーペニングとウッドワースはこの人々の関心に励まされ、共同経営を始め、友人のためにマイクユニットを製造することにした。このコンデンサーユニットは合理的かつ十分満足できるものと証明されたがこのユニットにはゆくゆくは克服が期待されるある種の限界があった。

初期のアスタティックの職員と労働者
【新型エレメントの提案】
ハム仲間たちのところに頻繁に通っていた古くからの知り合い、クリーブランドのチャールズ・E・センプルが自分を訪ねるよう2人を招待したのは丁度その頃だった。蓄音機に関する背景知識やラウドスピーカーに関する経験が買われ、センプルは当時、ブラッシュ・ラボラトリー社の研究職で、ロッシェル塩(酒石酸塩)で作られたエレメントの実験をしていた。センプルを介して2人の訪問者は電気機械のエンジニア、A・L・ウィリアムスと科学者のC・B・ソーヤー博士に会った。彼らは力学的エネルギーを電気的エネルギーに変換する、もしくはその逆の働きをしようとするマイクや蓄音機のピックアップ、スピーカー、レコーダーのヘッドやイヤホンなど、これらの機器の新しいエレメントの動作のデモンストレーションをした。まさにこのとき、ショーペニングとウッドワースは無線設備用の構造が単純で、低価格の信頼性のあるマイクロフォンを見付けたのだった。

アスタティックの最初のクリスタルマイク、Model
D-104 (1933年製造)

アスタティック設立時の質素な建物
【1933年法人化】
1933年までにショーペニングとウッドワース両氏は製造販売会社の設立と、メーカーや無線機器取扱店向けのクリスタルマイクや蓄音機用クリスタルピックアップ、レコーダーヘッドにラインナップを拡大する必要性を感じた。センプル氏は新組織にデザイナーとして迎え入れられ、後に統括マネージャーとなり、1939年に亡くなるまでその職務を全うした。

オハイオ州コニオートのアスタティック社の主工場と事務所
現在、アスタティックコーポレーションは五大湖の2番目に大きい鉱石用港湾であるオハイオ州コニオートの中心の3エーカーの土地に広大かつ現代的設備の整った工場を有している。アスタティックの創業地で1944年後半まで事務所と工場を維持していたオハイオ州ヤングスタウンからコニオートへの移転はこの重要な電子部品産業の急速成長による必要性に迫られてのものだった。あらゆる新規の製造メーカー同様、アスタティックも多くの困難な問題を経験し、それを見事に乗り越え、最終的に、現在急成長する一産業のリーダーシップを取る立場に立った。この比較的新しい科学の分野のパイオニアであるアスタティックはその数多くの応用で音響用ピックアップの信頼性やラジオやレコードプレーヤー、その組み合わせ機器に計り知れない貢献をしてきている。電子機器の使用がより一般的になったため、アスタティックのマイクやレコードプレーヤーのピックアップやカートリッジへの需要が増加し、アスタティックは製品設計や製造設備の改良に取り組んだ。

(左から右へ) クリスタルエレメントのニードルチャックの取り付け、マイクケーブルの修理、レコードプレーヤー用ピックアップの試験
アスタティックコーポレーションの驚異的な成長を一番良く物語っているのは、アスタティックの歴史の中で最初の年の労働者が12人以下だったのに対し、現在では1,200人の労働者がアスタティックの大規模な製品群の製造に従事していることだ。アスタティックという名前は、マイクロフォンやレコードプレーヤーのピックアップのシンボル、電子機器に興味を持っている人たちのなじみになり始めた。アメリカの18主要都市の販売代理店によって、外国においても国内同様で、アスタティック製品の市場は世界中に拡大した。

メイン組み立てフロアの概観
アスタティックの現代的なコニオートの工場見学を通して、そしてその驚くべきオペレーションの連携は製造業の到達点の一つのあり方である。最も近代的な設計の機械と設備はツールやダイスの製作、部品の機械加工、組立工程、仕上げ、その他アスタティック製品の製造に貢献した。このアスタティックの工場を訪れたものはその近代的な装置や設備、またはその十分に装備された研究施設や大規模な工学技術部門、多様な工具や機械の工場、最新式の塗装乾燥部門や組み立て労働者のその長く忙しいラインや多くの事務員や診療所、カフェテリアなどに深く感銘を受けている。注意深い生産とコンスタントなテストを通してアスタティック製品の究極の性能を世に送り出すことを目的としたこれらの工程における常時の検査でさえも同様に感銘を受けないものはいなかった。

ピックアップカートリッジの組み立て

(左から右へ) アスタティックのマイクロフォンの試験、クリスタルカートリッジの試験、カートリッジハウジング内のダンピングパッドの固定
コニオートの新しい工場では研究と開発事業の促進のためアスタティックの技術者、技術棟、設備が大幅に増強された。この新部門には現在、最も検証された型の測定試験機器の配備された設備の整った研究施設も入っており、機械工学部門及び製図部門と連携した。

アスタティックの工学技術研究室の概観の一部
【アスタティック製品の応用分野は絶えず拡大している。】
科学がエレクトロニクスの可能性をさらに深く掘り下げるに従い、アスタティックのピックアップや音響再生装置の応用分野を広げとどまることを知らない。無線機やレコードプレーヤーの製造、アマチュア活動に関わるほとんど全ての人にとって古くからのなじみのアスタティックのマイクロフォンやレコードプレーヤーのピックアップやカートリッジ、録音用ヘッドは今や何百もの新しい用途の中で最新の使用方法を開拓すべく運命付けられているのである。アスタティックの技師と研究室の技術者は特殊用途へのアスタティック製品の適合可能性のあるアスタティックの顧客にアドバイスを提供する立場にいる。

2本のアスタティック製K-2マイクが搭載された移動型サウンドシステム
アスタティックのクリスタル及びダイナミックマイクの多くのモデルは一般的用途向け同様特殊用途向けにも設計されている。それらの中には次のようなものがある。ラジオ局、アマチュア無線局、移動型PA機器、航空無線、警察無線、内線、工場、無線通信、教育機関、家庭用録音機器、オフィス向け口述録音機器、防犯機器、その他多数である。それらの使用方法は今や、必然的に鉄道、船舶、バス、タクシー用途向けの双方向通信機器を加えることになるだろう。付け加えて、アスタティックのマイクロフォンには振動やノイズで機械を試験したり、タイミング解析、水漏れとその場所の発見などの多種多様な工業用途、そしてさらに特殊な用途がある。

(上段左)アスタティック製マイクが採用された警察通信施設
(中央左)航空官制で使用されるアスタティック製マイクロフォン
(中央右)ウィルコックス・エレクトロニクス社製品と共にオフィスに設置された例
(上段右)アマチュア無線設備において大々的に使用されているアスタティック製マイクロフォン
アスタティック製レコードプレーヤー用ピックアップやカートリッジは大手メーカーの大多数の電気式レコードプレーヤーやラジオとレコードプレーヤーの一体型、ジュークボックス、家庭用録音機器、その他同様の型の機材に採用されている。大手メーカーに採用された多くのレコードプレーヤーのピックアップのアームの設計はアスタティックのカートリッジの特性に基づいている。このようにアスタティックのカートリッジの製造は実際全ての交換部品需要に適している。

ポータブルレコードプレーヤーで使用される2種類のアスタティック製ピックアップ
アスタティック製品は自社製品をメーカーに供給することに加え、既存の機器の修理、交換、改良を行う国内外の部品店でも流通している。
アスタティックはレコードプレーヤーのピックアップカートリッジにおいてはおそらく世界最大の生産規模であり、今日の様々な需要や厳しい要求に答えられる多くのモデルが作られている。それゆえ、アスタティックのカートリッジは簡単な手動式のプレーヤーであろうと最も複雑なオートマチックチェンジャーを備えたものであろうとレコードプレーヤーを設計する多くのエンジニアの唯一の選択肢となるのは自然なことである。

修理部門でのメーカー担当者と社員
多くの無線機器部品店やメーカーへのアフターサービスとしてアスタティックは特別修理部門を長期に渡り維持している。材料もしくは技術上の欠陥によってもたらせ得る結果によってアスタティックの高度の性能基準を満たしていない製品はここで必要性に応じて修理もしくは交換される。この連携で顧客満足と信頼を保証するのである。

PA音響機器用途にもアスタティック製マイクロフォンは人気がある。写真のトミー・タッカー・オーケストラもアスタティック製マイクロフォンを使用している。
【アスタティックの戦況(第2次世界大戦)への貢献】
戦況へのその惜しみない貢献によりアスタティックコーポレーションは賞賛に値する功績への多くの礼状と共にアメリカ海軍業績証書を受けとった。
戦時中、大量のマイクロフォンやピックアップ、クリスタルカートリッジを国防軍に供給したことに加え、アスタティックはその他もろもろの電子機器を設計し、完成させ、製造した。この中には多くの水面下音響探知機、ソナー機器も含まれている。アスタティックはその結果、アメリカ海軍とは直接契約により他のソナー機器メーカーにとっては外注ベースで水中聴音機の
最大のメーカーの1つになった。
陸海軍の爆撃機や戦闘機のために翼の表面や胴体、尾翼部分に飛行時の摩擦により蓄積された静電気を消失させる大量の静電放電器を完成させ、製造した。
アスタティックが設計、製造したコアキシャルケーブルコネクターが陸海軍の無線及びレーダー、ソナー施設により独占的に使用されたことでさらに貢献したのである。その結果、アスタティックコーポレーションは月別の出荷、生産ピーク、延べ65万ユニットを超える生産で、全米最大のメーカーになった。
translated by Smitty
追記:
Conneautは北米インディアン、セネカ族の言葉に由来するそうです。
ASTATICは現在ではクリスタルマイクの生産を中止し、CAD同様、FBC
InvestmentグループのOmnitronics LLCの一部門になっています。
※注、内容は精査し掲載しておりますが、もし、誤り等発見された場合はお手数ですが御報告下さい。早急に訂正致します。
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